この記事を読んでいるあなたは「Flutterで何ができるか知りたい」と思っているのではないでしょうか。
Flutterは現在、さまざまな分野で活用されています。しかし、ある程度Flutterについて学んでいる人でないと、Flutterで何ができるのか、どのようなことに使われているのかが理解しにくいかもしれません。
そこで、この記事では「Flutterでできること」や「できることに対応したFlutterの活用事例」について詳しく解説します。
記事の後半部分では、Flutterでできないことや、Flutterを効果的にビジネスで使用する方法なども紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもFlutterとは
Flutterとは、「アプリケーション開発」を助けるものです。Flutterは、一つの基盤で複数のプラットフォーム(iOS, Android)向けのアプリを作成することができます。
一般的には、iOSとAndroidの両方のアプリを一度に開発できるクロスプラットフォーム開発のツールとして知られています。このフレームワークを使用すると、一度のコード記述で両プラットフォームに対応したアプリを構築できます。
また、Flutterはデザインにも優れており、アプリの見た目を自由にカスタマイズできるため、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが可能です。
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Flutterにできること
Flutterには、高品質なアプリケーションを開発するための機能が豊富に揃っています。
ここでは、Flutterにできることを6つ紹介します。
- クロスプラットフォーム開発
- 効率的なUIデザイン
- コードの再利用性
- ホットリロード機能
- 自然なユーザー体験の実現
- バグ検出と修正
それぞれ解説します。
①クロスプラットフォーム開発
Flutterにおけるクロスプラットフォーム開発は、「一度のコーディングで」多くのプラットフォームに対応できるという特徴があります。つまり、同じコードをiOSとAndroidの両方で利用できます。
このクロスプラットフォーム性による開発は、一つのアプリを作成し、それを異なるプラットフォームに対応させるだけで良いため、開発効率が大幅に向上します。
Flutterを使ったクロスプラットフォーム開発はコードの再利用性が高く、アプリケーションの開発時間を大幅に短縮することが可能です。
②効率的なUIデザイン
Flutterのもう一つの大きな特長はその効率的なUIデザインです。
Flutterはウィジェットという独自の概念を持っており、直感的かつ効率的にUIを構築できます。豊富なウィジェットのライブラリがあるため、開発者は自由にUIをカスタマイズすることができます。
③コードの再利用性
Flutterのプログラミング言語であるDartは、コードの再利用性に優れています。一度書いたコードを異なるプロジェクトでも使用することができ、これにより開発時間の短縮と生産性の向上が可能になります。
④ホットリロード機能
Flutterのホットリロード機能は、コードの変更を即座に反映させることができます。これにより、変更箇所を確認しながらリアルタイムにコーディングを進められ、エラーの発見や修正も容易になります。
⑤自然なユーザー体験の実現
Flutterは高速描画とネイティブに近いパフォーマンスを実現しています。これにより、スムーズで自然なユーザー体験を提供することが可能になります。
⑥バグ検出と修正
Flutterの強力なデバッグツールと詳細なエラーレポート機能により、バグの検出と修正が容易になります。これにより、開発者は品質の高いアプリケーションを効率的に開発することが可能となります。
5つの活用事例から知るFlutterにできること
Flutterはその多機能性とクロスプラットフォーム性により、世界中で様々なアプリ開発に利用されています。では実際に、どのようなアプリがFlutterで開発されているのでしょうか?
以下に、その優れた実例を5つ紹介します。
- Google Ads – 広告管理アプリ
- Google Assistant – アシスタントアプリ
- Xianyu by Alibaba – フリマアプリ
- My BMW App – BMW公式アプリ
- ahamo – NTTドコモ公式アプリ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①Google Ads – 広告管理アプリ
「Google Ads」は、広告キャンペーンの手軽な管理ツールです。
出先でも手軽に広告パフォーマンスをチェックしたり、予算やキーワード、広告自体の調整が可能です。Googleが提供する最適化スコアを参照して、広告効果の見直しや改善もできます。
重要な通知はリアルタイムで届くので、すぐに問題に対処できます。専門家との相談やサポートを利用することもできます。広告管理を一手に引き受け、ビジネスの成功に貢献する便利なアプリと言えます。
②Google Assistant – アシスタントアプリ
「Google Assistant」は、パーソナルアシスタントとも言えるモバイルアプリです。
電話をかけたり、メッセージやメールを送ったり、リマインダーやカレンダーの予定を設定したりと、日常生活のさまざまなタスクを支援してくれます。
音楽の再生やナビゲーション、あらゆる質問に対応しています。マイクアイコンを押すか、文字を入力することで利用でき、人々のライフスタイルをより便利で効率的にするアプリです。
③Xianyu by Alibaba – フリマアプリ
「Xianyu by Alibaba」は、アリババグループが提供する中古品取引プラットフォームです。中古品市場の複雑さを解決するために、このアプリは独自の機能を提供し、ユーザーの様々なニーズに応えます。
アリババグループの電子商取引システムを基盤にして構築されており、そのプレゼンテーション層とサービス層を使って、より速く、より柔軟な研究開発が可能となっています。
これにより、ユーザーは安心して中古品の売買を行うことができます。
④My BMW App – BMW公式アプリ
「My BMW App」は、スマートフォンをBMWの遠隔操作ツールに変えるアプリです。
アプリを開けば、BMWのステータスをリアルタイムで確認したり、各種リモート機能を使うことができます。ドライブルートの計画やサービス予約も手軽に行えます。また、BMWの世界からの最新情報やストーリーも提供します。
これ一つでBMWの操作をもっと便利に、もっと楽しくします。車を持っていなくてもデモモードで体験可能で、機能は随時アップグレードされます。
⑤ahamo – NTTドコモ公式アプリ
「ahamo(アハモ)」は、スマートフォンの利用をシームレスにサポートするアプリです。
手続きや出荷状況を簡単に確認でき、スマホの開通手続きも手間なく行えます。利用料金や毎日のデータ使用量を視覚化し、その使い方を一目で把握できます。
データが足りなくなった場合は、すぐにチャージが可能で、いつでも安心して使用できます。分からないことや問題が生じた場合には、気軽にチャットで相談できるため、ユーザーサポートも万全です。
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Flutterにできないことの具体例
Flutterの可能性は無限大に思われるかもしれませんが、フレームワークとしての一部の制約があります。
ここでは、Flutterの主な制約を2つ紹介します。
- 少ないリソースで複雑な機能を実装すること
- 新しい種類のデータやテクノロジーの直接対応
それぞれ解説します。
少ないリソースで複雑な機能を実装する
「少ないリソースで複雑な機能を実装する」の具体例として、「写真のフィルタリングや複雑な画像操作機能の実装」が挙げられます。
例えば、Instagramのような複雑な画像フィルタリング機能をFlutterで実装するのは、やや困難な作業となります。
これは主に、Flutterが主にUI開発にフォーカスしており、特定の複雑な操作には他のライブラリやフレームワークのサポートが必要だからです。
新しい種類のデータやテクノロジーの直接対応
「新しい種類のデータやテクノロジーの直接対応」の具体例としては、「新たに登場したAPIやネイティブテクノロジーへの対応」が挙げられます。
Flutterはクロスプラットフォームフレームワークであり、AndroidとiOSの両方をサポートしていますが、新たに登場したネイティブのAPIや機能に対応するのはすぐには難しいかもしれません。
たとえば、AppleやGoogleが新しいネイティブAPIをリリースした場合、Flutterコミュニティがこれをフレームワーク内でサポートするためのプラグインを開発するまでには時間がかかります。
最新のネイティブ機能を直ちに利用したい場合、Flutterでは一部制約を感じることがあります。
Flutterを上手にビジネスで使うには
Flutterが開発者間で有名になってきた今、「あれもこれもFlutterで作れるはず」と考えている方もいるでしょう。しかし、Flutterにも得意とする領域とそうでない領域があり、全ての要求をFlutterで満たせるわけではありません。
Flutterを活用したアプリを開発する際は、「Flutterを活用して何を実現したいのか」を明確化したうえで、「その目的は本当にFlutterを使って達成できるのか」を調査しなければなりません。
それらを明確にしないと、開発段階で想定していた結果や機能が実現できない可能性があるからです。
Flutterを活用した新しいアプリを開発する際は、最新のFlutter活用事例や人気のあるFlutter製アプリの特性なども参考にすると、何か開発のヒントが見つかるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「Flutterのできること」について詳しく解説しました。Flutterには多くの強みがあり、アプリ開発のさまざまな場面で、それらの特性が活用されています。
しかし、Flutter=万能というわけではなく、「できないこと」や「他のフレームワークに劣る部分」も存在することも理解しておきましょう。
もし、今後「Flutterでアプリを開発したい」「Flutterをビジネスで活用したい」という方は、Flutterのできること・できないことをよく理解したうえで取り組むことが重要です。
その強みと制約を理解した上で、それをどう活用するかが重要となるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた!