Kotlinにできることって何?5つの活用事例やできないことまで解説!

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この記事の監修
テルプロ
東京都在住のアプリエンジニア。大学では、ソフトウェア開発の研究に取り組む。長期のエンジニアインターンシップを経て、実務スキルを磨き、現在はフリーランスエンジニアとしても活動中。メインはモバイルアプリ開発。IT関連の記事監修も行い、技術の共有と普及に貢献している。監修実績(レバテックフリーランス / CARRER BIBLE 他)

この記事を読んでいる方は、「Kotlinで何ができるか知りたい」と思っているのではないでしょうか。

Kotlinは現在、さまざまな分野で活用されています。しかし、ある程度Kotlinについて学んでいる人でないと、Kotlinで何ができるのか、どのようなことに使われているのかが理解しにくいかもしれません。

この記事では「Kotlinでできること」や「できることに対応したKotlinの活用事例」を解説します。

記事の後半部分では、Kotlinでできないことや、Kotlinをビジネスで上手く活用する方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

そもそもKotlinとは

出典:https://kotlinlang.org/

Kotlinは、JetBrainsが開発したソフトウェア開発のためのオープンソース言語です。

単一のコードベースでAndroid、JVM、JavaScript、Nativeなど、様々なプラットフォームに対応したアプリケーションを製作することが可能で、その汎用性と効率性から広く開発者に支持されています。

Kotlinエンジニアとは、Kotlinを駆使してアプリの設計から開発、テスト、デバッグに至るまで、アプリケーション開発の全過程を担当するエンジニアのことを指します。

Kotlinは、JetBrainsが開発したパワフルかつ直感的なプログラミング言語で、その明瞭な構文と堅牢な安全性は、アプリ開発者の間で高い評価を受けています。

Kotlinとは?最強のAndroid開発プログラミング言語を初心者向けに解説

Kotlinにできること

Kotlinは、生産性と安全性に重きを置いた機能が豊富に揃っているアプリケーション開発言語です。

ここでは、代表的なKotlinにできることを6つ紹介します。

  1. マルチプラットフォーム開発
  2. 高効率なコーディング
  3. コードの再利用性
  4. 生産性向上の機能
  5. 自然なユーザーインターフェースの実現
  6. バグ検出と修正の簡易性

それぞれ解説します。

①マルチプラットフォーム開発

Kotlinは、”Kotlin Multiplatform“という機能を通じて、一つの言語で複数のプラットフォームに対応したアプリケーション開発を実現します。

これは、Androidだけでなく、iOSやWeb、さらにはデスクトップアプリケーションなど、幅広いプラットフォームでのアプリケーション開発を可能にします。

共通のビジネスロジックを一度書くだけで、それを各プラットフォームに適応することができます。

これにより、複数のプラットフォーム向けの開発時間を大幅に削減することが可能となり、生産性が飛躍的に向上します。

②高効率なコーディング

Kotlinは、シンプルさとパワフルさを兼ね備えた言語設計が特徴です。

例えば、”null安全”という特性は、Null参照エラーをコンパイル時に排除します。

これはランタイムエラーとなる可能性のある問題を、開発段階で事前にキャッチできるため、バグを防ぎ開発時間を短縮します。

また、「拡張関数」を使えば、既存のクラスに新たな機能を追加することができ、その結果、簡潔かつ直感的なコードを書くことが可能になります。

③コードの再利用性

Kotlinは、コードの再利用性に優れています。一度書いた関数やクラスは、他のKotlinプロジェクトでも容易に再利用することができます。

これにより、再利用可能なコードをライブラリとして作成し、それを複数のプロジェクトで再利用することで、時間と手間を節約し、開発の効率性と生産性を向上させることができます。

④生産性向上の機能

Kotlinの”Coroutines“(コルーチン)は、長時間実行が必要な操作(例:ネットワークリクエストやデータベースの読み書き)を効率的に処理する仕組みです。

これは、一時停止と再開が可能な関数の形で、重たい処理を非同期に行うことができます。

例えば、主要なスレッド(UIスレッドなど)をブロックすることなく、データの読み込みを行ったり、時間のかかる処理を行うことができます。

これによりアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上します。

⑤自然なユーザーインターフェースの実現

KotlinはAndroid開発の公式言語としてGoogleによって採用されています。このため、KotlinとAndroidのUIフレームワーク(Android SDK)はシームレスに連携します。

これにより、ユーザーが期待する自然で直感的なユーザーインターフェースを容易に実現することができます。

さらに、新たに登場したUIツールキットである「Jetpack Compose」もKotlinで書かれており、Kotlinを使用することでこれら最新のツールに容易に対応することができます。

⑥バグ検出と修正の簡易性

Kotlinは静的型付け言語であり、その設計の中心には安全性があります。その一つが”null安全”で、これによりnull参照の問題をコンパイル時に検出し、null参照によるランタイムエラーを効果的に防ぎます。

加えて、Kotlinのコンパイラはコード内の問題を早期に検出し、具体的なエラーメッセージを提供します。これにより、問題の解決が容易になります。

Android Studio」などのIDE(開発環境)との親和性も高いため、開発中にリアルタイムのコード分析やデバッグを行いやすく、バグの早期発見と修正が容易になります。

5つの活用事例から知るKotlinにできること

Kotlinはその多機能性とマルチプラットフォーム性により、世界中で様々なアプリ開発に活用されています。では実際に、どのようなアプリがKotlinで開発されているのでしょうか?

ここでは、その代表的な活用事例を5つ紹介します。

  • Trello – タスク管理アプリ
  • Coursera – 学習プラットフォーム
  • Evernote – メモアプリ
  • Pinterest – 画像共有・検索サービス
  • Uber – ライドシェアリングサービス

それぞれ見ていきましょう。

①Trello – プロジェクト管理アプリ

出典:https://apps.apple.com/jp/app/trello-organize-anything/id461504587?platform=iphone

「Trello」は、個人やチームのプロジェクト管理を行うためのアプリです。

Trelloでは、ボードとカードを使ってタスクを視覚的に管理することができます。それぞれのカードには詳細や期限、担当者などを設定でき、プロジェクトの進行状況を一目で確認できます。

料金無料(一部プレミアム機能あり)
ダウンロードiOS/Android

②Coursera – オンライン学習アプリ

出典:https://apps.apple.com/jp/app/coursera/id736535961

「Coursera」は、世界の一流大学や教育機関から学べるオンライン教育プラットフォームです。

Courseraを使用すれば、ビジネスから科学、アートまで、幅広い分野のコースを自分のペースで学ぶことが可能です。

料金無料(一部有料コースあり)
ダウンロードiOS/Android

③Evernote – メモアプリ

出典:https://apps.apple.com/jp/app/evernote/id281796108

「Evernote」は、ノートを取るため、そしてアイデアを整理するためのアプリです。

Evernoteを使用すると、テキストノートから写真、リスト、音声メモまで、様々な形式のノートを作成できます。また、全てのノートはクラウド上で同期され、どのデバイスからでもアクセス可能です。

料金無料(一部プレミアム機能あり)
ダウンロードiOS/Android

④Pinterest – 画像共有・検索アプリ

出典:https://apps.apple.com/jp/app/pinterest/id429047995

「Pinterest」は、画像を共有したり、自分だけのボードを作成してアイデアを集めたりすることができるアプリです。

Pinterestでは、料理のレシピからDIYのアイデア、旅行のインスピレーションまで、あらゆるカテゴリーの画像や情報を見つけることができます。

料金無料
ダウンロードiOS/Android

⑤Uber – ライドシェアリングアプリ

出典:https://apps.apple.com/jp/app/uber/id368677368

「Uber」は、世界中の都市で利用できるライドシェアアプリです。

Uberを使えば、スマートフォンで簡単に車を呼び出すことができ、クレジットカード情報を登録していれば自動的に料金が引き落とされるので、現金を持つ必要がありません。

料金無料(利用料金は別途発生)
ダウンロードiOS/Android

その他の事例を知りたい方はこちら

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Swiftにできないことの具体例

Kotlinは十分な機能を持っていますが、全てのプログラミング言語と同様に、一部制限があります。

ここでは、Kotlinの主な制約について2つ解説します。

  • 一部高度なリソースに対する制約
  • 特定のテクノロジーやデータ形式への対応

それぞれ解説します。

一部高度なリソースに対する制約

「リアルタイムのゲーム開発や高度な3Dグラフィックス」のような一部高度なリソースの実装は、Kotlin単独では難しい部分があります。

これらを実現するためには、Kotlinと組み合わせて「OpenGL」や「Unity」などの他のライブラリやフレームワークが必要になることがあります。

特定のテクノロジーやデータ形式への対応

新たなテクノロジーやデータ形式への対応については、「新たなAPIや特定のプラットフォーム固有のテクノロジーへの対応」が一例です。

KotlinはJavaとの互換性が高い反面、新たに登場した特定のAPIやテクノロジーへの対応は、Javaと比較しても難しい場合があります。

Kotlinを上手にビジネスで使うには

Kotlinの機能と柔軟性に惹かれ、「これを使えばどんなアプリも作れるはず」と考えている方もいるかもしれません。しかし、他のプログラミング言語と同様に、得意な領域とそれ以外の領域があります。

Kotlinをアプリ開発に利用する際には、上記の制約を理解し、それを踏まえて、プロジェクトの要求に合わせて適切に使用することが重要です。

新たなKotlinアプリケーションを開発する際には、「Kotlinをどのように使用するのか」「その目的を達成するためにKotlinが適しているのか」を明確にすることが必要です。

これを怠ると、開発段階で予期せぬ問題に直面する可能性があります。

新しいKotlinアプリを開発する際には、他の開発者がどのようにKotlinを使用しているか、どのようなアプリが成功を収めているかを調査することも良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は「Kotlinのできること」について詳しく解説しました。Kotlinは多くの魅力的な特性を持ち、アプリ開発のさまざまな場面でその特性が活用されています。

しかし、Kotlinも全てをカバーする万能のプログラミング言語というわけではありません。

一部「できないこと」や「他の言語やフレームワークに比べて難易度が高い部分」が存在することを理解しておくことが重要です。

これから「Kotlinでアプリを開発したい」「Kotlinをビジネスで活用したい」という方は、Kotlinのできること・できないことをよく理解した上で取り組むことが大切です。

最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた!

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この記事の監修者

テルプロのアバター テルプロ アプリエンジニア

東京都在住のアプリエンジニア。大学では、ソフトウェア開発の研究に取り組む。長期のエンジニアインターンシップを経て、実務スキルを磨き、現在はフリーランスエンジニアとしても活動中。主にモバイルアプリの開発に従事しており、プロジェクトに深く関わっている。IT関連の記事監修も行い、技術の共有と普及に貢献している。

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