Flutterに将来性はある?やめとけと言われる4つの理由と向いている人を解説

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この記事の監修
テルプロ
東京都在住のアプリエンジニア。大学では、ソフトウェア開発の研究に取り組む。長期のエンジニアインターンシップを経て、実務スキルを磨き、現在はフリーランスエンジニアとしても活動中。メインはモバイルアプリ開発。IT関連の記事監修も行い、技術の共有と普及に貢献している。監修実績(レバテックフリーランス / CARRER BIBLE 他)

プログラミングの世界に触れたことがある人なら、Flutterという言葉を聞いたことがあるでしょう。

しかし、その実態や将来性について詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?フレームワークの一つであるFlutterは、現在急速に人気を集めており、その需要はますます増しています。

この記事では、Flutterの将来性と現状について深掘りし、なぜ今、Flutterエンジニアになるべきなのか、そして何がその道を難しくしているのかを考察します。

目次

Flutterとは

参照:https://flutter.dev/

Flutterは、Googleが開発したモバイルアプリ開発のためのオープンソースフレームワークです。

一つのコードベースでiOSとAndroidの両方のアプリを作成することができ、その効率の良さから多くの開発者に支持されています。

Flutterエンジニアとは、このFlutterを使用してアプリの開発を行うエンジニアのことを指します。主な業務は、アプリの設計、開発、テスト、デバッグなど、アプリケーション開発の全般を担当します。

Flutterは「Dart」というプログラミング言語を用いています。多くのFlutterエンジニアがDartを活用してアプリケーションを開発・アップデートしています。

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Flutterの需要が高い業界 – 仕事

ここでは、Flutterの需要が高い「業界」や「仕事」をご紹介します。

  • 需要が高まる業界 – テクノロジー業界やスタートアップ
  • 需要が見込める仕事 – モバイルアプリ開発やWeb開発

それぞれ解説します。

需要が高まる業界 – テクノロジー業界やスタートアップ

現在、テクノロジー業界やスタートアップではFlutterの需要が高まっています。テクノロジー業界では、「プロトタイピング」と「クロスプラットフォーム開発」がFlutterの主な活用事例です。

「プロトタイピング」では、Flutterを用いて迅速にアプリケーションの試作品を作成します。これにより、新しいアイデアを素早く形にすることが可能になります。

「クロスプラットフォーム開発」では、Flutterの一つのコードベースで複数のプラットフォームに対応したアプリを開発します。

Flutterを使えば、iOSとAndroid両方のアプリを効率的に開発することが可能になります。このスピーディーさが、流行に敏感なテクノロジー業界やスタートアップの間で注目を集めている訳です。

需要が見込める仕事 – モバイルアプリ開発やWeb開発

モバイルアプリ開発やWeb開発は、Flutterエンジニアの需要が見込まれる分野の一つです。特にモバイルアプリ開発では、iOSとAndroid両方のアプリを一度に開発できるFlutterの利点が活かされます。

Web開発の分野でも、クロスプラットフォームの開発能力が求められることから、Flutterエンジニアのスキルが重要となります。

これらのことから、Flutterエンジニアの将来性は非常に高いと言えます。技術の進化とともに、さらに多様なプラットフォームへの対応が求められる今後、Flutterエンジニアの需要は増えていくでしょう。

Flutterの現状

Flutterの現状として、以下の3つが挙げられます。

  1. Flutter市場の規模は拡大傾向
  2. Flutter人材の需要に対して供給は不足
  3. Flutterエンジニアは高年収

それぞれ解説します。

Flutter市場の規模は拡大傾向

FlutterはGoogleが開発した、iOSとAndroidの両方のアプリケーションを一つのコードベースで開発できるフレームワークです。

近年、クロスプラットフォームのアプリケーション開発が注目され、Flutterの採用企業が増えています。

特に新型コロナウイルスの影響で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速し、Flutterを活用したアプリ開発の需要が拡大しています。

【2023年最新版】Flutter採用企業一覧!海外の有名企業まで

Flutter人材の需要に対して供給は不足

Flutterの需要拡大に伴い、Flutterエンジニアの需要も増えています。

しかしながら、その需要に対して供給は追いついないのが現状です。Flutterは比較的新しいフレームワークであり、十分な経験を持つエンジニアが少ないことが背景にあります。

早いうちから開発経験を付けておけば、先行者優位に立つことができます。

Flutterエンジニアは高年収

Flutterエンジニアは、高度な知識やノウハウが求められ、その難易度と比例して年収も高く設定されています。では、実際にどれくらい給与が高いのでしょうか?

フリーランス求人サイト「フリーランススタート」のデータを元に紹介していきます。

Flutterの単価相場

参照:Flutter の求人・案件一覧 – フリーランススタート

2023年5月時点、「Flutter」で検索をかけてみると1913件の求人情報にヒットしました。

平均単価は【74.1万円】、最高単価【150万円】となっています。

実力次第では年収1000万円も十分に目指すことができることがわかりますね。近年のモバイル市場の需要の高まりと共に、Flutterエンジニアの年収は上がり続けている状況です。

一方、ネイティブアプリ開発で用いられる「Swift」や「Kotlin」の単価相場はどうでしょうか。

Swiftの単価相場

引用:Swift の求人・案件一覧 – フリーランススタート

Kotlinの単価相場

引用:Kotlin の求人・案件一覧 – フリーランススタート

Flutterは、SwiftやKotlinに比べると平均単価が少し低いのがわかりますね。

これは、Flutterを用いたクロスプラットフォーム開発をよりも、SwiftやKotlinを用いたネイティブ開発の方が大規模なアプケーション開発に使われることが多いという背景があります。

Flutterに将来性はある?

結論として、Flutterの将来性は明るいといえます。

現代のアプリ開発業界では、Flutterが注目を集めています。Flutterを使うことで、iOSとAndroidの両方に対応したアプリを一度に開発でき、開発効率を格段に向上させることができるからです。

Stack Overflow」の2022年の開発者調査によれば、Flutterは開発者の中で最も人気のあるクロスプラットフォームフレームワークのトップ2に位置しており、12.56%の開発者が主要な選択肢としています。

アプリ開発の市場が拡大していくにつれて、Flutter開発の需要も今後も伸びていくとされています。

Flutterがやめとけと言われる4つの理由

Flutterエンジニアは需要が高まっている人気の職業であるにもかかわらず『Flutterはやめとけ』と言われることがあります。なぜ、そのように言われるのでしょうか。

『Flutterはやめとけ』と言われている理由は以下の4つです。

  • 環境設定が複雑
  • Dart言語を学ばなければならない
  • 頻繁にアップデートされる
  • 長時間のコーディングが必要

それぞれ解説します。

環境設定が複雑

Flutterの開発環境の設定は非常に複雑で、初心者には難易度が高いと感じるかもしれません。また、エラーが発生した際の対処法も一般的なものとは異なる場合があります。

Dart言語を学ばなければならない

FlutterはDartというプログラミング言語を使います。Dartは他の主流な言語(JavaやSwift)と比べると活躍の幅が狭く、汎用性が低いことが挙げられます。

頻繁にアップデートされる

Flutterは頻繁にアップデートされ、それに伴って新しい機能が追加されたり、既存の機能が改善されたりします。そのため、アップデートによって発生する新たな問題に対応する必要があります。

長時間のコーディングが必要

Flutterでは、UIのデザインからロジックの実装まで全てをコーディングする必要があります。これは長時間のコーディングを必要とし、その結果、あなた自身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

Flutterが難しいと言われる5つの理由

Flutterは他のフレームワークに比べて学習の難易度が高いと言われています。なぜそのように言われているのでしょうか?

『Flutterは難しい』と言われる理由は以下の5つです。

  • Dart言語の習得が難しい
  • 更新が頻繁で追いつくのが難しい
  • 独自のWidgetシステムの理解が難しい
  • 開発環境の設定が難しい
  • クライアントへの提案が難しい

それぞれ解説します。

Dart言語の習得が難しい

DartはFlutterの開発言語ですが、主流な言語とは異なる特性を持っているため、新たに習得するのは難しく時間がかかります。

更新が頻繁で追いつくのが難しい

Flutterは頻繁にアップデートが行われ、それに伴って新しい機能が追加されたり、既存の機能が改善されたりします。これにより、常に最新の状況に追いつくのが難しくなります。

独自のWidgetシステムの理解が難しい

Flutterでは、UIを構築するために独自のWidgetシステムを使用します。このシステムは他のフレームワークとは大きく異なるため、理解するのは難しいです。

開発環境の設定が難しい

Flutterの開発環境の設定は非常に複雑で、エラーが発生した際の対処法も一般的なものとは異なる場合があります。

クライアントへの提案が難しい

クライアントが技術的な背景を持っていない場合、Flutterの利点と制約を説明するのは難しいかもしれません。そのため、技術者としての説明能力も重要となります。

Flutterエンジニアになるには

Flutterエンジニアになるためには、特定の学歴や資格が必要というわけではありません。

しかし、FlutterやDartなどのプログラミング言語の習得、モバイルアプリケーション開発の基本的な知識など、専門性が求められます。

そのため、フロントエンド開発やモバイルアプリケーション開発に焦点を当てた専門学校、または情報工学を専攻する大学で専門知識を身につけておくことが重要です。

新卒の場合、モバイルアプリ開発会社やソフトウェア開発会社でインターンシップに参加し、実務経験を積んでおくと就職活動で有利になるでしょう。

一方、文系出身者が独学でFlutterエンジニアを目指す場合、一定の覚悟が必要となります。自己学習によって技術を習得し、業界の最新動向を常にキャッチアップするための情熱と意欲が求められます。

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Flutterエンジニアに向いている人の特徴

Flutterは高度な専門性が求められ、その技術は絶えず進化しています。

そのため、常に最新の情報を追い続ける能力が必要とされます。このような特性から、Flutterに対する深い興味と熱意を持ち、その仕組みを理解することが好きな人に向いていると言えます。

ただし、これらの特性や興味が薄いにも関わらず、「需要が高くて年収が高いから」という理由だけでFlutterエンジニアを目指すと、挫折する可能性はかなり高くなります。

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Flutterエンジニアのキャリアパス4つ

Flutterエンジニアのキャリアパスについても、多くの方が興味を持っているでしょう。Flutterエンジニアとして磨いたスキルは、他の職種にも適用可能で、その需要も高いです。

Flutterエンジニアのキャリアパスとして、以下の4つを考えることができます。

  • モバイルアプリ開発コンサルタント
  • シニアエンジニアとしてのキャリアアップ
  • Flutterエンジニアとしてのスペシャリスト
  • マネジメント職

それぞれ解説します。

モバイルアプリ開発コンサルタント


モバイルアプリ開発コンサルタントは、Flutter技術を駆使して、クライアントのビジネスニーズにマッチしたアプリ開発の提案から実装までのプロセスをリードします。

これには、顧客とのコミュニケーション能力が求められ、要件定義からプロジェクトの進行管理まで幅広いスキルが必要です。

シニアエンジニアとしてのキャリアアップ

シニアエンジニアとしてのキャリアアップでは、技術的な深堀りが必要とされます。

複雑で高度な技術的課題に対処する能力を磨くことで、より高度な開発プロジェクトを担当することが期待されます。システム全体のアーキテクチャやパフォーマンスの最適化に関する深い知識も重要です。

Flutterエンジニアとしてのスペシャリスト

Flutterエンジニアとしてのスペシャリストとして進むことも選択肢の一つです。

特定の技術領域において深い専門知識を築くことで、市場価値を向上させつつ、他のエンジニアたちに対して技術的リーダーシップを発揮することが期待されます。

マネジメント職

マネジメント職に進む場合、プロジェクトやチームのリーダーとして活躍することが求められます。リーダーシップとコミュニケーションスキルが特に重要です。

プロジェクトの計画や進捗管理、エンジニアリングチームの指導や育成が仕事の中心となります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の記事では、Flutterの将来性、やめとけと言われる4つの理由、Flutterエンジニアに向いている人の特徴について解説しました。

Flutterエンジニアは、iOSとAndroid両方のアプリ開発が可能なため、需要が高い職業です。平均年収も高く、成果に応じて年収が上がる可能性もあります。

簡単なことではありませんが、努力次第で未経験からでもFlutterエンジニアになることは可能です。興味のある方は、ぜひこのチャレンジに挑戦してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた!

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この記事の監修者

テルプロのアバター テルプロ アプリエンジニア

東京都在住のアプリエンジニア。大学では、ソフトウェア開発の研究に取り組む。長期のエンジニアインターンシップを経て、実務スキルを磨き、現在はフリーランスエンジニアとしても活動中。主にモバイルアプリの開発に従事しており、プロジェクトに深く関わっている。IT関連の記事監修も行い、技術の共有と普及に貢献している。

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