Flutterに興味がある方の中には、実際の開発について詳しく知りたいという方も多いでしょう。
この記事では、Flutterアプリケーション開発のプロセス、開発を外注するメリットとデメリット、開発会社の選び方などを包括的に解説しています。
本記事を読むことで、適切なFlutter開発を進めるために必要な知識を身につけることができます。
▼Flutterについて詳しく知りたい方はこちら
Flutter開発でできること
Flutterを活用することで、アプリケーション開発の効率化や新規のサービス提供が可能になります。
ネイティブに近いパフォーマンスを持つFlutterでクロスプラットフォーム開発を行い、開発時間を大幅に削減したり、Flutterを活用したユニークなアプリケーションを導入している事例はたくさんあります。
Flutter開発に経験豊富な企業も多く、UI/UXデザイン、パフォーマンス最適化、アプリケーションアーキテクチャなど、特定の領域に強い企業が存在します。
開発を依頼する際には、その企業の特徴をしっかりと見極めることが重要です。
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Flutter開発のために必要なモノとは?
Flutter開発には、主に以下の3つが必要になります。
- Flutter開発時に必要になるハードウェア
- Flutterの開発環境
- ライブラリ・フレームワーク
それぞれ解説します。
Flutter開発時に必要になるハードウェア
Flutter開発には、アプリケーションを構築・テストするためのハードウェアが必要です。十分なストレージや処理能力を持つコンピューティングリソースが必要になります。
しかし、必ずしも高性能なハードウェアを用意する必要はありません。
クラウドベースの開発環境を活用できます。これらのサービスはFlutter開発に必要なリソースを提供し、利用した時間だけ費用を支払うことができます。
Flutterの開発環境
Flutter開発において、効率的なコーディング環境を整えることは重要です。
ここでは特に「Visual Studio Code (VSCode)」を推奨します。VSCodeは無料で利用可能なコードエディタで、多くの言語をサポートしています。
VSCodeはFlutterの開発において特に優れているとされています。その理由として、Flutter専用の拡張機能が多数存在し、自動補完、シンタックスハイライト、エラーチェックなどを行うことができます。
Flutterは、iOSとAndroidに対応しているため「Xcode」と「Android Studio」の準備も必須になります。
ライブラリ・フレームワーク
Flutter開発におけるライブラリとは、「状態管理」「ルーティング」「ユーザーインターフェイス」などの様々な処理を一元化したものです。
ライブラリを利用することで、容易に機能を呼び出し、実行することができます。
以下に、いくつかの代表的なライブラリ・フレームワークを紹介します。
ライブラリ・フレームワーク | 説明 |
Riverpod | Reiverpodは状態管理を行うためのシンプルなツールです。複雑なアプリケーションでも一貫性を維持するのに役立ちます。 |
GetX | GetXは状態管理、依存性注入、ルート管理など、多くの側面で利用できるツールです。軽量でパワフルなパッケージで、コードの量を減らすのに役立ちます。 |
Dio | Dioは強力なHttpクライアントライブラリです。FormData、File uploading、Timeout等をサポートしています。 |
Sqflite | SqfliteはFlutter用のSQLiteプラグインです。ローカルデータベースを利用したい場合に有用です。 |
Shared Preferences | ユーザーの設定など、軽量なデータの保存と読み込みに利用できるライブラリです。 |
Firebase | FirebaseはGoogleのモバイルプラットフォームです。認証、データベース、ストレージ、メッセージングなどのサービスを提供しています。 |
これらはあくまで一例であり、特定のニーズや要件に合わせて適切なライブラリやフレームワークを選ぶことが重要です。
Flutter開発に必要な言語は?
Flutter開発には、Dartという言語が使用されています。
Dartは、Flutterの開発もとであるGoogleにより開発されたプログラミング言語です。フロントエンドとバックエンドの両方で使える汎用性の高い言語といえます。
Dartの特徴は、その効率性、簡潔性、およびパフォーマンスの高さです。簡易なシンタックスと高い可読性を持ち、JavaScriptやJavaに馴染みのある開発者にとっては学習が容易です。
個人または独学でもFlutter開発できるのか?
Flutterは個人でも開発することが可能です。
しかし、初心者がゼロからオリジナルのアプリを作ることは一定の挑戦が伴います。実際に大規模なFlutter開発は、複数のエンジニアがチームを組んで行われることが多いです。
一方、個人で開発を進める場合でも、豊富なライブラリやパッケージを活用することで、複雑な部分の開発を省略し、効率的にアプリケーションを構築できます。
もし高度なアプリケーションを作りたいのであれば、Dartというプログラミング言語の習得や、Flutterフレームワークの理解を深めることが重要です。
▼実際に個人開発をしている人はたくさんいます。
Flutter開発の手順
ここからは、Flutter開発の具体的な手順について解説していきます。
Flutter開発の手順は以下の4つです。
- 構想フェーズ(アイデア出し)
- プロトタイプフェーズ(試作)
- 実装フェーズ(本格開発)
- 運用フェーズ(公開・保守)
それでは詳しくみていきましょう。
①構想フェーズ(アイデア出し)
このフェーズでは、まず何を作るのかを考えます。
例えば、天気予報アプリを作りたいと考えたら、そのアプリがどのような機能を持つべきか(天気表示、気温表示、地域選択など)をリストアップします。
構想フェーズでは、その企業や個人が取り組んでいるプロジェクトがFlutterで実現できるか検討します。そして、Flutterを導入するために必要な「要件定義」を作成し、初期の設計を行います。
この時には、アプリがビジネスとして利益を出せるかという観点で考えることが必要になります。
②プロトタイプフェーズ(試作)
次に、実際に簡易的なアプリを作ってみます。
これは「プロトタイプ」または「モックアップ」と呼ばれ、見た目や動きを試すためのものです。この段階では完全な機能を持つ必要はなく、画面遷移の流れやデザインなどを確認します。
プロトタイプフェーズでは、初期の設計に基づき、Flutterでの仮のアプリを構築し、構想段階で考えたものが実現可能かを検証します。
シミュレータやデバイスで、テーマとして選定した問題を解決するアプリの作成にトライする段階です。
③実装フェーズ(本格開発)
プロトタイプが完成したら、本格的な開発に移ります。
ここでは、アプリの全機能を実装します。例えば、天気予報アプリならば、実際の天気データを取得して表示する機能や、ユーザーが地域を選択できる機能などを作ります。
実装フェーズでは、プロトタイプフェーズで構築した初期版を本番運用で求められるパフォーマンスやユーザビリティへと進化させます。
Dartコードを中心に、構想した業務やサービスを実現するアプリを組み上げていきます。
④運用フェーズ(公開・保守)
実装が終わったら、アプリを公開します。そして、ユーザーからのフィードバックを元にアップデートを行ったり、バグを修正したりする作業を行います。
運用フェーズでは、これまでのフェーズを経て構築されたFlutterアプリを運用していきます。作成したアプリの性能のモニタリングとシステム全体のメンテナンスを行います。
企業がFlutterの開発を行う2つの方法
自社で開発する
自社で開発する方法は主に2つあります。
1つは「FlutterFlow」ようなビジュアル開発ツールを用いる方法です。Flutterの構文を理解していなくてもドラック&ドロップで、基本的なアプリケーションを作ることが可能です。
2つ目は「自社のエンジニアに開発を依頼すること」です。Flutterを使った開発は、Dartというプログラミング言語の理解が必要となります。自社にDartに詳しいエンジニアがいれば、自社で開発することは可能です。
開発を外注する
Flutterの専門知識が自社に不足している場合や、より高度なアプリケーションを開発したい場合は、外部の専門業者に開発を依頼することも一つの選択肢です。
開発パートナーにはそれぞれ得意分野があり、料金も異なります。開発を依頼する際には、自社のニーズに合ったパートナーを選ぶことが重要です。
Flutter開発会社に発注するメリット
自社に開発人材がいなくても開発できる
Flutter開発には、FlutterやDartに精通したエンジニアが必要になります。自社に専門的なスキルを持つエンジニアがいなくとも、専門的な開発会社に発注することで対応が可能です。
特化した会社に発注すれば、多数のプロジェクト経験があり、既に実績があるため安心感があります。
Flutter開発会社に発注するデメリット
予算が高くなる傾向がある
Flutterの開発をベンダーにすべて委託すると、予算が高額になることがあります。発注の際に要望が正確に伝わっていないと、開発がうまく進まない場合もあります。
予算を高く設定すれば高機能のアプリケーションを作れますが、その機能が本当に必要かどうか見極めることが大切です。予算と機能を適切にバランスさせて開発を進めることが重要です。
Flutter開発会社の選び方
Flutter開発会社の選び方には、主に4つの要素があります。
- 開発する目的を明確にする
- 開発企業の得意分野を確認
- 開発実績を確認
- 開発費用を確認
それぞれ解説します。
開発する目的を明確にする
Flutterで何を開発したいのか、何を達成したいのかを明確にしましょう。Flutterの力を生かす方法を見極めることが大切です。
Flutterの開発はそれなりに予算がかかります。しかし、プログラミング不要のGUIツールを使って問題を解決できることもあります。よく考えた上で、開発に進むべきかを決定しましょう。
開発企業の得意分野を確認
Flutter開発会社にも得意とする分野があります。iOSとAndroidの両方を扱える会社、UI/UXデザインに強い会社など、開発したいアプリケーションによって適切な会社は異なります。
開発実績を確認
各開発会社の得意分野と開発実績を比較することで、開発会社とのミスマッチを防ぐことができます。また、似たようなプロダクトを作っている会社に依頼すれば安心して任せられます。
開発費用を確認
開発費用は会社によって異なりますが、Flutterの開発はそれなりに費用がかかります。実装内容や目指す形を明確に伝えることで、予算を適切に設定することができます。
Flutter開発会社に発注する際の注意点
開発会社に全てを任せない
全てを開発会社に任せてしまうと、理想と現実の間にズレが生じることがあります。開発会社はFlutterに詳しいですが、あなたのビジネスニーズまで完全に理解しているわけではありません。
開発側としては、細かすぎるくらいの提案の方が良かったりします。
開発側にとっては詳細な指示や提案は非常に助けになります。開発プロセスの中で最も避けたいのは、途中での仕様変更です。
発注者側から見れば簡単な変更でも、開発側では一からコードを書き直す必要がある場合があります。
そのため、「開発会社に全てを任せない」というのは重要なポイントです。発注側が持つビジョンや要望を具体的に、明確に伝えることで、開発側も効率的に作業を進めることができます。
Flutterを使ったアプリ開発に強い会社6選
以下の記事では、Flutterを使ったアプリ開発に強い会社を6社にピックアップして紹介しています。
興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、Flutterを活用したアプリ開発の方法を、開発者と企業の視点から詳しく解説しました。
開発に際してはミスを避けたいものです。明確な目的設定と課題の理解を通じて、適切な開発方法を選び進めていきましょう。
本記事が、Flutterを用いたアプリ開発を検討している方の参考になっていれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた!