この記事を読んでいる方の中には「Flutter開発をしたいけど、難しいと聞くから不安」と考える方もいるのではないでしょうか?
確かにFlutterは、プログラミングの知識やフレームワーク独自の知識が求められることから難しそうな印象を受ける方も多いでしょう。
しかし今、Flutterは世界的に注目を集めており、今後ますます需要が伸びていく技術の筆頭です。
そこで本記事では、Flutterが難しいと言われる6つの理由、向いている人の特徴やFlutterエンジニアになるためのステップについて解説していきます。
Flutterとは
Flutterは、Googleが開発したモバイルアプリ開発のためのオープンソースフレームワークです。
一つのコードベースでiOSとAndroidの両方のアプリを作成することができ、その効率の良さから多くの開発者に支持されています。
Flutterエンジニアとは、このFlutterを使用してアプリの開発を行うエンジニアのことを指します。主な業務は、アプリの設計、開発、テスト、デバッグなど、アプリケーション開発の全般を担当します。
Flutterは「Dart」というプログラミング言語を用いています。多くのFlutterエンジニアがDartを活用してアプリケーションを開発・アップデートしています。
Flutterとは?Googleの新世代フレームワークを初心者向けに解説
Flutterが難しいと言われる6つの理由
Flutter開発は、多岐にわたる知識と高度な専門性が求められるため、学習するのが難しいとされています。では、具体的にどのような点が難しいのでしょうか。
ここでは、Flutterが難しいと言われる理由を6つ紹介します。
- 高度なプログラミングスキルが必要だから
- 技術進化が早いから
- フレームワーク自体の知識が多いから
- Flutterの概念が独特だから
- プラットフォーム間の違いを理解する必要があるから
- デザインと実装の両方に対応できるスキルが求められるから
それぞれ解説します。
①高度なプログラミングスキルが必要だから
Flutter開発者には、高度なプログラミングスキルが求められます。
FlutterはDartというプログラミング言語を使用し、その特性を最大限に活かすためには、高いレベルのコーディング能力が必要です。
②技術進化が早いから
FlutterはGoogleがバックアップしているため、技術の進化が非常に早いです。
新しいフレームワークやライブラリが頻繁にリリースされ、常に最新の知識をキャッチアップしなければならないため、学習が難しいと感じる人も多いです。
③フレームワーク自体の知識が多いから
Flutterは、ウィジェットという単位でUIを構築するという特徴的なアーキテクチャを持っています。
ウィジェットの種類や役割、使い方を理解し、それを最適に組み合わせてアプリケーションを作り上げるためには、深い知識と豊富な経験が求められます。
④Flutterの概念が独特だから
Flutterの最大の特徴である「Everything is a widget」は、初学者にとっては新鮮な概念であり、難易度を感じる要因の一つです。
既存のフレームワークとは異なるこの概念に慣れるまでには時間と努力が必要です。
⑤プラットフォーム間の違いを理解する必要があるから
Flutterはクロスプラットフォーム開発を行うフレームワークですが、それでもiOSとAndroidの違いを理解し、適切に対応する必要があります。
そのパフォーマンスは高いものの、アプリケーションの動作を最適化するためには、パフォーマンスチューニングに関する深い知識と経験が必要です。
⑥デザインと実装の両方に対応できるスキルが求められるから
Flutterエンジニアは、UIデザインだけでなく、実際の実装も行うため、両方のスキルが求められます。特にデザインと実装を効率的に行うための方法を習得することが重要です。
Flutterは難易度が高い分、年収も高い
Flutterは高度な知識やノウハウが求められるため、その難易度と比例して年収も高く設定されています。では、実際にどれくらい給与が高いのでしょうか?
フリーランス求人サイト「フリーランススタート」のデータを元に単価相場を紹介していきます。
Flutterの単価相場
2023年5月時点、「Flutter」で検索をかけてみると1913件の求人情報にヒットしました。
平均単価は【74.1万円】、最高単価【150万円】となっています。
実力次第では年収1000万円も十分に目指すことができることがわかりますね。近年のモバイル市場の需要の高まりと共に、Flutterの単価は安定的に高い状況です。
一方、ネイティブアプリ開発で用いられる「Swift」や「Kotlin」の単価相場はどうでしょうか。
Swiftエンジニアの単価相場
Kotlinエンジニアの単価相場
Flutterは、SwiftやKotlinに比べると平均単価が少し低いのがわかりますね。
これは、Flutterを用いたクロスプラットフォーム開発をよりも、SwiftやKotlinを用いたネイティブ開発の方が大規模なアプケーション開発に使われることが多いという背景があります。
Flutter開発に向いている人の特徴
Flutter開発に向いている人の性格や適性を知ることで、自分に向いているかの参考になります。
ここでは、Flutter開発に向いている人の特徴を3つ紹介します。
- 複数のプログラミング概念に適応できる人
- 最新の技術とフレームワークに興味がある人
- クロスプラットフォームのアプリ開発に情熱を持つ人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
複数のプログラミング概念に適応できる人
Flutterエンジニアには、複数のプログラミング概念を理解し、それらを組み合わせて使用できる能力が求められます。
特にオブジェクト指向プログラミングとリアクティブプログラミングの概念を理解することが重要です。
最新の技術とフレームワークに興味がある人
FlutterはGoogleが開発した新しいフレームワークであり、そのアップデートは常に進行中です。最新の技術とフレームワークについて学ぶことに興奮する人にとって、Flutter開発は理想的な領域です。
クロスプラットフォームのアプリ開発に情熱を持つ人
FlutterはiOSとAndroidの両方のプラットフォームで動作するアプリケーションを開発できます。
異なるプラットフォーム間での互換性を確保しつつ、ユーザーフレンドリーなアプリケーションを作成したいという情熱がある人には、Flutter開発が向いています。
Flutterエンジニアになるための4ステップ
では、Flutterエンジニアになるためにはどのようなステップを踏めば良いのでしょうか。
ここでは、Flutterエンジニアになるための重要な4ステップを紹介します。
- FlutterとDart言語を学ぶ
- 自己学習による独自アプリの開発
- 開発したアプリをポートフォリオとしてまとめる
- ポートフォリオを用いて求職活動を行う
それぞれ解説します。
①FlutterとDart言語を学ぶ
Flutterエンジニアになるためには、まずFlutterとその主要言語であるDartを学ぶ必要があります。DartはFlutter開発の中核となる言語であり、これらの理解が初めてのステップとなります。
②自己学習による独自アプリの開発
基本的な概念を学んだ後は、独自のアプリを開発することで、FlutterとDartの知識を実践的に適用することが重要です。これにより、あなた自身のスキルと理解を深めることができます。
③開発したアプリをポートフォリオとしてまとめる
次に、自分が開発したアプリケーションをまとめ、ポートフォリオを作成します。これはあなたのスキルと経験を示すためのツールであり、採用担当者があなたの技術的な能力を評価する際に役立ちます。
④ポートフォリオを用いて求職活動を行う
最後に、ポートフォリオを使用して求職活動を開始します。Flutterエンジニアとしてのスキルを持つことは、特にクロスプラットフォームアプリ開発の分野で非常に重宝されます。
Flutterが難しいと感じるかどうかは、個々の背景と経験に大きく依存しますが、これらのステップを順にたどることで、未経験からでもFlutterエンジニアになることが可能です。
Flutterの学習で挫折しないためのポイント
Flutterエンジニアになると決めたのであれば、挫折しないで学習を進めたいと考えるでしょう。
Flutterの学習で挫折しないためのポイントは以下の通りです。
- 人に聞ける環境を作る
- 難易度が高く継続が困難なことを理解する
- Flutterエンジニアになる目的を作る
それぞれ解説します。
人に聞ける環境を作る
Flutterの学習を独学で進めてしまうと、人に聞けば数秒で解決するようなエラーに長い時間をかけてしまうことがあります。そのような時間は非常にもったいないです。
また、思うように学習が進まないことが原因で挫折する可能性が高まります。そのため、人に聞ける環境を作れば、挫折の心配なく効率的に学習を進められます。
人に聞ける環境を作るための例として、以下の4つが挙げられます。
- オンラインのコミュニティに参加する
- 学習会に参加する
- オフラインのイベントに足を運ぶ
- Flutterに詳しい知人に質問する
このような環境に身を置き、仲間と楽しく学習を進めることをおすすめします。
難易度が高く継続が困難なことを覚悟する
Flutterは他のフレームワークに比べて、その難易度が高いことは否めません。
求められるスキルの幅が広く、高度な知識やノウハウが求められます。そのため、Flutterエンジニアになると決めたからには、学習意欲を保つための相当な覚悟が必要です。
Flutter開発に必要スキルは以下のようなものが挙げられます。
- Dart言語
- ホットリロードなどの特徴
- リアクティブプログラミング
- 新しいコンセプトへの理解
挫折せずに学習を続けるためには、この難易度を理解し、自分自身で乗り越える覚悟が必要です。
Flutterエンジニアになる目的を作る
Flutterエンジニアになると決めたのであれば、挫折しないためにも明確な目的を作りましょう。
目的を作らなければ、自分がどの方向に進んでいるのか・今やっていることが何に繋がるのか分からなくなってしまいます。
プログラミングなどのスキルは、あくまで目的を達成するための手段です。Flutterエンジニアとして成し遂げたい目的を作りましょう。
目的が作れたら、その目的に対する理由を考えることで、目的がさらに明確化されます。
Flutterの将来性
結論として、Flutterの将来性は明るいといえます。
現代のアプリ開発業界では、Flutterが注目を集めています。Flutterを使うことで、iOSとAndroidの両方に対応したアプリを一度に開発でき、開発効率を格段に向上させることができるからです。
「Stack Overflow」の2022年の開発者調査によれば、Flutterは開発者の中で最も人気のあるクロスプラットフォームフレームワークのトップ2に位置しており、12.56%の開発者が主要な選択肢としています。
アプリ開発の市場が拡大していくにつれて、Flutter開発の需要も今後も伸びていくとされています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では、Flutterが難しいと言われる理由、Flutter開発に向いている人の特徴、そしてFlutterエンジニアになるためのステップについて詳しく解説してきました。
Flutterは世界的に注目されている職業であり、その需要は高まっています。
一般的なアプリ開発者の平均年収よりも、Flutter開発者の平均年収は高い傾向にあります。あなたの技術次第では、年収1000万円以上を狙うことも十分可能になります。
Flutterは特定の専門知識を要するため、学習が難しいと感じるかもしれませんが、努力次第で十分に習得することが可能です。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた!